「成長期ジュニアアスリートの補食活用術」

インターハイが始まりました。選手にとって「勝負の夏」、3年生にとっては3年間の集大成。しっかり栄養補給をして目いっぱいチカラを発揮してほしいです。
補食の必要性
食べる量は一人ひとり違います。必要な量も体格、活動量、競技種目などによって異なります。まずは『自分にとって必要な量』を知ることです。必要な量を食べることができない場合、補食が身体づくりやパフォーマンス維持の鍵になります。
なぜ補食が必要か?科学的根拠とリスク
練習前の空腹がパフォーマンス低下につながる理由
空腹状態で練習を始めるということは、エネルギー源はどこから入手しますか?お腹が空いた状態では集中力が低下しませんか?集中力低下は判断ミス、ケガにもつながりかねません。
エネルギー源となる栄養素は主に糖質と脂質です。たんぱく質もエネルギー源になりますが、これは身体のたんぱく質を分解してエネルギー源にしています。筋肉は日々のトレーニングを積み重ねることによって作られています。これをエネルギーに変えてしまうなんて、もったいないと思いませんか?糖質、脂質が不足してエネルギーが作られない場合、この状態になります。
また、練習後なるべく速やかに補食を摂ることで、筋タンパク分解を抑制し回復を促進することが科学的に示されています。
補食のタイミングと何を摂るのか
基本的な考え方は、運動終了時に小腹が空く状態に調整することです。
運動内容、時間によって摂る量が決まります。また、タイミングによって補食に摂る食品を選ぶようにしましょう。補食をとってもいつまでも胃の中にたまっていると、胃もたれ、吐き気の原因になりかねません。
タイミング別の最適補食
朝練前/朝食前:バナナや軽い炭水化物+水分で起動スイッチを押す
ゼリー飲料やプロテインバーなども有効
練習前/昼食→午後の練習前:昼食後練習までどのくらい時間があるかで、補食を選びましょう。1時間以上時間があくのであれば、軽い炭水化物+水分を摂る。30分をきったら、固形物は控えるようにしましょう。運動開始時に胃の中が空っぽであるのがベストな状態です。また、昼食がしっかり摂れていれば、補食は不要です。
練習後/なるべく早く炭水化物+たんぱく質+水分を確保する(例:卵、ハムなどのサンドイッチや鮭の入ったおにぎりなど)
日常の食事が要であること
わすれてはいけない日常の食事
主食+主菜+副菜+果物+乳製品
これがアスリート食の基本です。
不足しがちなビタミン、ミネラルを補うことも補食の役割です。
ビタミン・ミネラル:免疫や代謝サポートに関わる栄養素(果物/野菜ジュースなどで補いましょう)
欠食はしない
慌ただしい朝、オフの日などは欠食しがちです。時間がなくても手軽に食べることができるメニューを準備しておきましょう。
●忙しい時でも続く!補食レシピ&アイデア
和食なら
おにぎり+具たくさんの味噌汁+フルーツヨーグルト
洋食なら
サンドウィッチ(ハム+卵)+野菜ジュース+フルーツヨーグルト
補食は“おやつ”ではなく「計画的な栄養戦略」
アスリートにとって補食は単なるおやつではなく、食事の一部として考えます。普段、不足しがちな栄養素を補うのも補食の役割です。
まとめ
補食の目的:不足しがちな栄養素を補う、運動前後のエネルギー、栄養補給
タイミング:運動前後
運動前 運動までの時間に合わせた補食の選択を
運動後 なるべく速やかに糖質とたんぱく質の補給を


最後に・・・
インターハイが始まりました。また、高校野球も県大会の決勝まで進んできました。
プロの試合とはまた違う、感動をいただいています。
選手の皆さんが、安全にスポーツがおこなえること、祈っています。
暑い日が続いています。
熱中症対策も忘れずに!!