スポーツ栄養

食事調査でわかる栄養の質

kitinosuke

栄養サポート

かれこれ10年近く、高校生の部活サポートをしています。その一つに『食事調査』があります。オフの日を1日含めた3日間の食事記録をつけてもらい、栄養価計算をし、結果をフィードバックしています。食事調査記録用紙には、食事をとった時間、場所(学校、学食、自宅、外食など)、献立、食品名、摂取量(目安量)が記入されます。可能であれば、写真を添付してもらいます。写真があると、より現実に近い摂取量を推定することが可能となります。見落としがちなのが調味料(ドレッシングやマヨネーズなど)で、ノンオイル、オイルありなどの記載です。対面で調査票を回収する際は、必ず目を通して記入漏れがないか確認をします。

また、補食をとった日は補食の内容を記載してもらいます。

食事調査の目的

食事調査の目的は「バランスよく食べているか」「摂取量の過不足」を確認することにあります。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、鉄、ビタミンC、食塩相当量を算出していましたが、最近ビタミンDも項目に加えました。

ビタミンDを項目に加えた背景

2019年、新型コロナウイルスが蔓延し始めました。食に関しては「免疫力」が注目を浴び、様々な乳酸菌を含む商品が注目を浴びていました。

そのころ、メディカルチェックを担当していたドクターから「ビタミンDの摂取量が少ないのではないかな?」とのご意見をいただいたことから、ビタミンDについても算出項目に加えるようになりました。

ビタミンDという栄養素

ビタミンDはカルシウムとともに、骨の形成に関わるビタミンです。主に魚、きのこ類に多く含まれています。不足の理由として食生活での「魚ばなれ」が摂取量の減少につながっていると考えられます。また、ビタミンDは紫外線を浴びることで、体内で生成することが可能です。ですが、紫外線対策に日焼け止めをこまめに塗りなおすなど、紫外線も敬遠している状況です。このような背景がビタミンD不足につながっていると考えられます。

免疫力アップには栄養バランスが整っていることが大前提です。これはスポーツ栄養学において多くの先生方がお話されています。

食事調査結果から見えること

今年度も食事調査を実施しました。高校生男女を対象に行いました。プロテインに含まれるビタミンDを除き、目標量に到達していた選はわずか4.7%でした。食事調査記録用紙を見るとやはり、魚の摂取量が少ないと感じます。そこで、ビタミンDを摂取すべくレシピを提案しました。

ビタミンDをもっととろう!レシピ

今回、缶詰の魚を使用したレシピの提案にしました。

缶詰であれば常温で長期保管が可能であること、処理に手間がかからないのでもっと活用してほしい!!という思いをこめました。

トマト煮はカレールゥを加えることで食欲アップを意識しました。暑い夏の間、冷たいものばかり摂りがちですが、カレー味であれば食欲がアップするのではないでしょうか。もう一つは冷や汁です。こちらも缶詰で手間を省く一品となっています。

おみそ汁が余ったら、冷蔵庫で冷やしておくと更に簡単です。

わたしは保護者のかたへ栄養についてお話する際、「手作りにこだわらず栄養を摂ることにこだわってほしい」と伝えます。なので、冷凍食品の活用などもおすすめしいています。スポーツをしている、していないに関わらず、保護者の方にとって食事の準備はとてもしんどい家事のひとつと考えます。少しでもラクして栄養を摂ってもらえるよう、これからもレシピの提案をしていきたいと思います。 今回のレシピ、いかがでしょうか?よろしければ感想をお聞かせください。

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食を楽しむことが趣味である人
とにかく、食べること、飲むことが大好きな人です。大勢でワイワイも一人でサクッも大好き。料理を作ることも大好き♪自分の好きなものを好きな時に作って食べる。最高の幸せだと思っています。 公認スポーツ栄養士の資格をもち、子どもたちへの食育にも奮闘中です。
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